第5回ナパ・ソノマ飲み合宿を振り返って(2)

アオキ:さて、今回の飲み合宿は、6日間で29軒のワイナリーを訪問しました。1日目のV2Vについては、先ほどお伺いしましたので、2日目以降で特に印象に残ったワイナリーを教えてください。

 

Mr.X :それはもちろん、3日目に訪問したハウエル・マウンテンにあるBlack Searsです。念願でしたからね。

 

アオキ:今回の合宿の最優先訪問先でしたよね。

 

Mr.X :そうですね。かなり気合が入りました。

 

アオキ:で、実際行ってみていかがでしたか?

 

Mr.X :まず、行き止まりっていうのが良かったですね。要するに、それより奥にワイナリーはない訳です。つまり、ナパで最も高い場所にあるワイナリー。そしてなだらかな斜面に無数に広がるジンファンデルの群れ、約一万本って言ってたかな?圧巻でしたね、しかもフリースタイルで。ナパでは珍しい光景でした。


アオキ:それに、草ぼうぼうでしたよね。

 

Mr.X :そう、ほぼ完全オーガニックだそうで、虫に強い草を敢えて生やしてる。それにしても、あそこまで草だらけってのも珍しかったなぁ。

 

アオキ:あのブドウのほとんどが、他のワイナリーの原料供給用に栽培されてるんですよね

 

Mr.X :一番いい区画は自分達で使うと言っていたけれど、山奥とは思えない立派な醸造設備にも驚かされました。受託もしてるとかで、ラインナップには、見たことがあるラベルもありましたね。

 

アオキ:正直、山奥の「ひなびた温泉」ならぬ、素朴なワイナリーを想像していただけに、良い意味で裏切られたというか。。。

 

Mr.X :確かに、我々の想像をはるかに超えたワイナリーでしたね。二代目の若いご夫婦が、しっかりとしていて事業継承もなされていたところが安心できました。

 

アオキ:Black Searsラベルではほとんど流通しないですから、また買いに行かないといけないですね(笑)。

 


Mr.X :それから同じ山エリアということで言えば、スプリング・マウンテンにあるBehrens

Familyは個性的でしたね。ラベルデザインだけでなく、オーナーとワインメーカーのワイン造りに対するフィロソフィーを感じました。

 

アオキ:具体的には?

 

Mr.X :型にはまってないんですよ。ナパのワイナリーだからとか、スプリングマウンテンのワイナリーだからという考えに縛られず、自分たちが良い!と思うもので最高のワインを造ろうとする貪欲さからくるものなんでしょうね。

 

アオキ:そうでしたね。せっかくなんだから、スプリングマウンテンのブドウ使えばいいのに・・・、なんて思っちゃいましたけど。「我々はうまいワインを造りたいんだ!」ってストレート勝負でしたね(笑)。


Mr.X :そして、次回ぜひ訪問したいのが4日目に訪問したCoombs VilleにあるSciandri

Familyですね。リタイア後に、ナパに土地を買ってワイン造りを始めるなんて、ワイン好きとしては理想的なセカンドライフですよ。オーナーご夫婦のホスピタリティーも素晴らしかったし。


アオキ:奥様から「次回は、うちを最後にしなきゃ許さないわよ~。」と嬉しいお言葉を頂いてるので、夕方遅くに行きましょうね。

 

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