第4回ナパ・ソノマ飲み合宿を振り返って

「第4回ナパ・ソノマ飲み合宿」訪問記完成記念として、

いつも一緒に合宿に参加して頂き、思慮深いアドバイスをしてくださる

Mr.Xにお話をうかがいました。

 

Mr.Xは、日本酒利き酒師でもあり、ワインに対する鋭敏な味覚にはいつも驚かされます。

また、ワインのテイスティング数、訪問ワイナリー数ともに桁違いで私の目標でもあります。

アオキ:「第4回ナパ・ソノマ飲み合宿」の感想はいかがでしたか?

 

Mr.X :今回は3日目が白眉でしたね。ハウエルマウンテン地区の希少ワイナリーを見事に回れた。雨が降って天気は悪く、寒かったですけど、それがより一層印象的でした。事前予約もうまく行きましたし。年末でなければ、もっと回れたでしょうけど…。

 

アオキ:Mr.Xは、ハウエルマウンテン好きですけど、きっかけは?

 

Mr.X :かなり昔に「山カベ」について書かれたブログを偶然みつけて・・・。どうもハウエルマウンテンという山にすごい赤がありそうだと思ったんですね。

 

アオキ:におったんですね(笑)。

 

Mr.X :そうです。それで第1回ナパ・ソノマ飲み合宿のダックホーン訪問時に、ハウエルマウンテン地区の赤を初めて頂いて、確信したんですね。それで第2回飲み合宿の事前調査でハウエルマウンテンヴィンヤーズというのが引っかかってきたのですが、その時は場所が特定できなかった。

 

アオキ:そうでした!だから第2回飲み合宿の時には、このワインにたどり着かなかったんですよね。

 

Mr.X :それが昨年のGWに実施した第3回飲み合宿の直前に、ここのワインを取り扱ってるワインショップを見つけた。

 

アオキ:A Dozen Vintnersですよね。

 

Mr.X :そうです。そこで飲んだ時の味と言ったら・・・。これぞ、追い求めたハウエルマウンテンの味と感激しました。 

 

アオキ:でも、このワイナリーはなくなっちゃったんですよね。

 

Mr.X :そう。2004年か2005年のヴィンテージを最後に消滅してしまった。。。

 

アオキ:残念ですよね。でも必死の調査でこのワインの生産者を見つけましたから、次回の訪問が楽しみですね。

アオキ:それにしても、Mr.Xを虜にしてしまうハウエルマウンテン地区の魅力とは、ずばりなんですか?

 

Mr.X : 凝縮感ですね。夏の強い日差しと乾燥した土壌に傷めつけられるうちに凝縮された旨味。ブドウも皮厚なところがいいです。

 

アオキ:なるほど~。でも、山であれば反対側にあるスプリングマウンテン地区はどうでしょう?こちらにもお馴染みのワイナリーさんとかありますよね。

 

Mr.X : スプリングマウンテン地区はエレガントなおいしさなんですよ。夏の冷涼さが放つクールな切れ味というか。それに、斜面が急で広い土地が手に入らないので小規模生産者さんが多いところがいい。

 

アオキ:そう言えば、そもそも大手のワイナリーは、まとまった土地がないので手が出しづらいって聞いたことあります。

アオキ:さて、今回の飲み合宿では5日間で25軒のワイナリーを訪問しました。特に印象に残ったワイナリーを教えてください。

 

Mr.X :何と言っても、3日目目に訪問したSumitt Lake Vineyardsですね。ここのジンファンデルを口に含んだ瞬間、後ろから頭をガツーンとやられた感じ。コストパフォーマンスもすごいし、「これは、とんでもないワイナリーに出会ってしまったもんだ。」と思いましたね。

 

アオキ:確かに。雨と霧の中に山小屋がぽつんと現れ・・・。魔法の世界に行ったみたいでした。

 

Mr.X :それから、同じハウエルマウンテン地区にあるDunn Vineyards。4つのヴィンテージのカベルネ・ソーヴィニョンを垂直させてもらえた。 自腹でやったら10万はかかるんじゃないかな?それに娘さんが案内をしてくれて、ホスピタリティが素晴らしかった。

 

アオキ:同感です。実は、往年のナパの大スター、ランディー・ダンが自ら設立したこだわりのあるワイナリーなので、職人気質で高飛車なワイナリーと思ってましたけど。全くそんなこともなく。

途中で、ランディー自身も来てくれて感激しましたよね。

 

Mr.X :ランディーの世捨て人状態も良かった(笑)。あとは、最終日に訪問したYates Family Vineyards.家族で協力し合って良いワインを作ろうと協力している姿勢と、クオリティの高さで掘り出しものを見つけた感がありますね。これからどう展開して行くのか楽しみです。

 

アオキ:3軒とも、第二世代ががんばってますよね。Hill Family Estateとかもそうですし。。。ナパの第一世代の高齢化もありますから、代替わりがこれからどんどん増えて行くんでしょうね。

 

Mr.X :ワイナリーの事業継承ですよね。家族経営を維持するという難しい面もあるかと思いますが、我々のように、日本から飲みに行く輩のためにもがんばってほしいですね。

アオキ:では、最後に。ナパのワインの魅力とこれからの抱負を教えてください。

 

Mr.X :実は、ナパ以外のワイン、特にフランスとかあまり飲んでいないのでおこがましいですけど、やはり凝縮感ですね。それから樽香、タンニン、果実味のバランスがたまらないです。

そして、これからの抱負ですよね。やはり全ワイナリー制覇です。メジャーどころを除いて。 それから、エリアごとの特徴を踏まえて、これからも自分の味を追求したいですね。

 

アオキ:本日は、ありがとうございました!あ、これからナパでワイナリー巡りをする方々に一言お願いします。

 

Mr.X :まずは飲み過ぎに注意。テイスティング時には必ず捨て容器がありますから活用しましょう。あとお水。1L以上の大きなボトルを携帯しておくこと。それから良く聞かれるのが英語力。英語力はあるにこしたことはありませんが、なくてもなんとかなります。アオキさんは、ほとんど顔の表情と体の動きで会話してますから。自分のワインの好み英語で言えるようにしておくと、スタッフとコミュニケーションとりやすくなりますね。自分は、I like a red wine with oaky flavor and dentist texture.って感じですね。

 

アオキ:Mr.Xはよくメモしてますよね。スタッフに本気度が伝わる感じがいつもします。

 

Mr.X :それはありますね。おまけを頂く必殺技です(笑)。

 

アオキ:本当に今日はありがとうございました。今後ともアドバイスよろしくお願いいたします。